総合福祉会館の生活介護事業に従事していた2人の非常勤職員が雇い止め撤回を求めて裁判闘争に立ち上がってから3年を迎えるもとで、7日、「第3回雇い止め撤回裁判を支援するつどい」が開催され、府内各地から参加した支援者や市労連組合員あわせて97人が参加しました。おらがまちコンサート合唱団のみなさんも歌声で、学童指導員の仲間たちはけん玉で、原告を激励しました。
よびかけ人を代表して挨拶に立った二宮厚美さん(神戸大学名誉教授)は、「2015年には、戦争法反対、立憲主義回復を掲げて画期的な運動の広がりをつくったが、安倍政権は戦争法を強行するばかりか、派遣法改定により直接・無期限雇用という雇用の大原則をふみにじり、場合によっては『生涯ハケン』にもなりかねない社会をつくろうとしている。また、知事選挙で維新が勝利したもとで、公務員バッシングや労働組合バッシングは依然として続く。このようなもとで公務職場での雇い止め撤回を求める裁判の意義は大きい」と挨拶されました。
また、よびかけ人に加わったチャールズ・ウェザーズさん(大阪市立大学教授)は、アメリカにおける公共部門の労働者・労働組合への攻撃がいくつかの州で行われていることを紹介し、「新自由主義のもとでは日本もアメリカも同じ状況。ともに頑張って、はねかえしましょう」とよびかけました。
原告の藤井雅子さんは「仕事がないと毎日行くところがあるわけでなく、毎日仕事に行った時がなつかしい。裁判になってからもう3年。こんなにかかるとは予想もしていなかった。貯えも減り、生活は厳しい。私たちが従事していた総合福祉会館の生活介護事業も委託されて4年目になって事業者が代わり、職員も代わったという。利用者にとっては重大なことである。やっと慣れて、一定の信頼関係もつくられたところで、職員が代わってしまうとは、とんでもない。積み上げてきたことが、全部崩れてしまう。しかも利用者は弱い立場であり不安も声に出せない。こんなことでは福祉の吹田がこわれてしまう。福祉の吹田を最前線では非正規職員が支えている実態がある。そんな実態を裁判の中で訴えたい」と訴えました。
また、福田廣子さんは「吹田市当局の主張を聞くと、私たちが仕事をしてきた現場のことを本当にわかっているんだろうか、今まで長い間してきた仕事がちゃんと評価されているんだろうか、という気になる。今ここで立ち上がらないと、どんどん非正規職員が切られていくんじゃないか。自分だけのことでなく、非正規全体にかかわる問題として、裁判で頑張っていきたい」と訴えました。
ともに闘う仲間たちからも激励と決意にあふれる言葉が寄せられました。大阪市労組の永谷さんは「思想調査裁判も年が明ければ2月26日に高裁判決の言い渡しを迎える。市民がかがやく自治体にしていくために、裁判に勝たなけばならない」と決意を込めた挨拶。ハローワークでの雇い止め撤回を求めて闘う時任さんも「雇用を守るところであるハローワークで行われた雇い止めはどうしても許せないと裁判をしてきたが、1審、2審と棄却された。でも、今度は最高裁に上告することを決意した。ともに頑張りましょう」と連帯を表明しました。
閉会にあたって、市労連・坂田委員長は「よびかけ人の一人である上林陽治先生が『非正規公務員の現在』という本を出版。非正規公務員のあり方が注目される。一方『週刊東洋経済』では『絶望の非正規』という特集も。本来は非正規という働き方はなくしていくべきであるが、当面は『非正規のみなさんが希望をもって働ける社会』をめざす。二人のたたかいが、非正規の希望を切り開くものとなる。新しい市政のもとでも激しいせめぎ合いは続いている。残念ながら、前の市政をひきずり、アウトソーシングの推進が止まらず、雇い止めを撤回する姿勢が見られない。二人のたたかいで、維新市政からの転換をホンモノにしていきたい」と挨拶しました。