毎年11月に、住みよい吹田のまちづくりと豊かなくらしを願う住民と市職員、研究者が一堂に会して、学び合い、語り合う場が「吹田まちづくり・くらし・市政を考える研究集会」(略称「市政研」)です。
第1回市政研は1982年に開催されました。当時、吹田の住民運動は3つの課題に直面していました。一つは、待機児解消のために新設される山三保育園が民間委託されるかもしれないという状況にあったこと。一つは、学童保育を公設公営で運営する制度に確立する条例が制定されたものの、それまで無料だった保育料が有料となったこと。一つは、父母らが運営していた無認可の障害者作業所、共同作業所を国の制度に基づく認可施設とする際に、公立ではなく社会福祉法人さつき福祉会の事業として位置付けたことでした。
当時の吹田市政は「憲法をくらしの中に」の垂れ幕を庁舎に掲げた革新市政でした。それでも自治体の役割を小さくし、民間委託を推進し、住民の負担を強める国の政治の影響が強く、このことに市労連と住民運動がどう向かい合うのかが問われていました。
そのとき、一つ一つの課題をバラバラに考えるのではなく、お互いが交流しあい、学びあいながら住民自治の力を育て、地域と自治体職場から市民本位の市政を支えようということでした。こうして市政研が始まったのです。
初めの10年間は、箕面・勝尾寺の宿坊で、次の20年間は関西大学の100周年記念会館で、その後は大和大学の学舎をお借りして、毎年3〜400人の参加者が学び合い、語り合っています。