吹田市3月議会
吹田市の3月議会では、高齢者と障害者が利用してきた福祉巡回バス「きぼう号」が廃止されることになった。他にも、高齢者団体へのバスの貸付台数の削減や介護保険のショートステイへの補助の廃止、はり・きゅうマッサージ助成の回数の削減など高齢者のくらしに大いに関わるものが目立っている。高齢者無料入浴などの事業も廃止や縮小されることになった。3月議会で継続審議になったものの、老人医療費助成制度も「廃止」が狙われている。
吹田市の財政は、高齢者や障害者に痛みを強いらなければならないような「非常事態」ではまったくない。借金の少なさは、全国で28番目であり、行政サービスの引き下げは差し迫ったものではない。ところが、吹田市長は、「福祉の吹田」と高く評価されてきた吹田市の施策を次々と引き下げようとしている。
福祉バス「廃止」の方針が掲げられてから、高齢者クラブを中心に署名が取り組まれ、短期間で1万筆を超える署名が吹田市長にあてて提出されている。福祉巡回バスによって、高齢者が安心して外出をすることができ、無料入浴券や理美容補助の配布は社会的な生活を送ることを保障してきた。バスの貸付事業は地域の高齢者クラブの活動も支え、地域の高齢者同士の住民自治の活動を守ってきた。
さらに吹田市は、市民活動の拠点である市民会館の廃止を決定し、コミュニティセンターや市民ホールなどの使用料の値上げをねらっている。吹田市長が「維新流」に切り捨てようとしているのは、単なる高齢者向けの事業ではない。「無縁社会」が問題となるなか、地域の「縁」を育んできた高齢者クラブや市民の自主的な活動までも後退させようとしている。「維新型」市政は「きずな」まで断ち切るのか。