イラク支援特別措置法が2年間も延長され、航空自衛隊は隣国クウェートから戦場となったバグダッドまでせっせと「物資」を運んでいる。写真(上)は「航空自衛隊は何を運んでいるか」について情報公開を求めた時の回答であるが、見事に真っ黒黒塗りである。「国民に見せられないもの」、つまり武器・弾薬、米兵を運んでいると考えて間違いはあるまい。
イラクには大量破壊兵器はなかった。フセインはアルカイダとつながってはいなかった。アメリカがウソをついてまで始めたイラク戦争に、日本政府はいつまでつきあうつもりだろうか?
写真(下)の女性は、アメリカのヘリコプターからの空爆で右腕を複雑骨折、破片が口の中に飛び込み、喋れなくなってしまった。バクーバという、現在最も空爆の激しい地域での出来事。
テレビや新聞からこのようなイラクの戦争実態が報道されなくなって久しい。3年前に日本人3人が身柄を拘束され、小泉前首相が「自己責任!」と叫んでから、ほとんどのマスコミはイラクから引き揚げた。「もし武装勢力に誘拐されたら、政府から睨まれる」ので、現場の記者、カメラマンは会社の命令に従って日本に戻ってきたのだ。かくしてイラク戦争がテレビから消えた。
被害の実態が報道されなければ、戦争の悲惨さは伝わりにくい。今のイラクでは1日に100人単位で人が死ぬ。そう、尼崎のJR事故レベルの被害が毎日繰り返されているのだ。実際のイラクの姿を多くの人々に見てもらいたかったので、イラクで撮り貯めた映像をDVD「イラク・戦場からの告発」に編集した。憲法9条が変えられてしまえば、アメリカは日本に対しもっと戦争に協力するように要請してくるだろう。アメリカの戦争とはどのようなものなのか、ぜひこの映像を通して感じてもらえれば幸いである。