わんぱく15号(2004)
お父さん、お母さん、「子育てが楽しい」と感じてますか?
吹田の公立保育園では、20年以上も前から、保育園が「地域の子育て支援センター」にと育児教室や園庭開放を行い、1997年には各園に「地域担当保育士」を置いて、「一人ぼっちの子育て」をなくそうとお手伝いしています。
少子化や虐待などが大きな社会問題になっている中、保育園の役割はますます大切。しかし、国は少子化対策・子育て支援の充実といいながらも、公立保育園をつぶし、安上がりで子育てをお金もうけの対象にする企業の保育園にゆだねる方向になっています。
誰もが安心して子どもを産み育てたいという願いを持っています。豊かに子育てできる環境を守り、制度をより充実させるために、一緒に考えてみませんか。
私たちは、市内の就学前の子どもをもつ3,000世帯を対象にアンケートをお願いし、それをもとに検討を重ねてきました。 だれもが安心して子育てでき、こどもが生き生き育つ街吹田の実現をめざし、私たちは提案します。
保育園について・市民の方々からの声
・仕事をしなければ生活できないし、仕事をするためには保育所は必要不可欠。保育所の数をふやすか保育所の定員を増やしてほしい。
・自分が働く立場になったら、病児保育、延長保育は特に必要。充実させてほしい。
・保育士を増やして、こどもに目のゆきとどく体制にしてほしい。
・保育園の建設や増改築で、受け入れ人数を増やします。
・安心して働き続けられるよう、延長保育や病児(病後児)保育を充実させ、休日保育等の検討もしていきます。
・夫以外、誰にも子どもを頼めないのですが、夫も出張が多く、親類縁者のいない土地での子育てにはゆとりがありません。育児疲れ解消のための一時保育は強く要望したいです。
・入所条件があてはまらず、入園できないのはつらい。母親と2人で日中すごすことのお互いの苦痛(母はストレス、育児の悩み。子どもはおもいっきりあそべない)など緩和する事として保育園や幼稚園の施設等が充実していれば良いのではと希望します。
・ママ友だちがほしい。託児付もしくは赤ちゃんOKのサークルが欲しい。
・子育て支援センターのない地域をなくし、子育て支援を充実させます。
・親子が気軽に利用できる場所づくりを検討します。
・公的機関での一時保育の実施に向けて検討します。
・子育て情報の提供を行います。
・子育てサークルの支援を充実させます。
・地域の子どもに関わる機関が連携をとり、ネットワークづくりを進めます。
・公立幼稚園でも、3年保育を実施してほしい。
・新しいマンションができて、こどもの数が増えている。公立幼稚園の定数を増やしたり、建設したりして、希望する全てのこどもを受け入れてほしい。
・私立幼稚園に入園するが、保育料が高い。教育費を考えると、こどもが3人ほしくても産めない。保育料の軽減をしてほしい。
・希望者が全員入園できるよう、4歳児の定員増を検討します。公立幼稚園での3歳児保育の検討もしていきます。
・保護者の実態や要求にあった延長保育を充実させます。
・ことばがおそく、また、お友だちと上手に遊べないのが気になっています。身近で相談できる所をつくってほしい。
・親子で室内で遊べるような公共の場所を開設してほしい。
・砂場が汚かったり、水道がなかったりするので、市内の古い公園を視察して改築してほしい。
・吹田は転勤族が多いと聞いたのに、子育て保育、幼稚園についてや学校の情報をのせてる冊子がないので、越してきても孤立したり、買いものに困らないような情報冊子の提供を。
・乳幼児健診を充実させ、健診後のフォローを充実させます。
・障害児の複合施設の建設をめざし、療育の充実をはかります。
・保育園・幼稚園での障害児の受け入れ拡大し、保育体制を充実させます。
吹田市では、18の公立保育園が「地域子育て支援センター」として、民間(社会福祉法人)保育園とともに、その役割を果たし、さらに充実させていこうとしています。公立保育園は市民のみなさんに安心して利用していただける地域の財産になりたいと願っています。
「財政難」だから公立保育園を民間にところが、いま保育園を「民営化」「民間委託」しようという動きが全国で起こっています。大阪府下でも、堺市が「すべての公立保育園を民営化する」という方針を発表。その後、守口・大東・池田市など22の自治体でも「財政難」を理由に民営化がすすめられ、現在56カ所にものぼっています。政府が「三位一体の改革」と称して「公立保育所運営費1661億円」を削減したので、さらに民営化がすすむともいわれています。
各市では「民営化することにより経費を削減し、待機児解消や保育サービス・子育て支援の充実にあてる」と説明されていますが、保育園に入りたい子どもたち全員を受け入れる計画や、保育サービスをどう向上させるのか、子育て支援をどう充実させるのか、具体的な内容は示されていません。
民営化すればどうなる?民営化すれば、どうして経費が削減できるのでしょうか。それは人件費を削ることが行われるからです。ベテランの保育士を減らし、人件費の安い若い保育士ばかりになったり、保育士の賃金を引き下げたり、長時間労働にしたり、さらに保育士の人数を減らしたり…。 民営化されると、現在の保育サービスや子育て支援事業を提供できなくなってしまうのではないでしょうか。次代を担う子どもたちの豊かな成長・発達を守っていくことができなくなるのではないでしょうか。
●多くの専門職に出会えます
(小児科医師・歯科医師・歯科衛生士・保健師・栄養士・発達指導員・保育士)
●他の子どもや保護者と出会えます
健診後の援助でも地域の仲間づくりのための育児教室の紹介、保健師の家庭訪問や経過健診での助言、早期療育が必要な親子に対して「バンビ親子教室」や「パンダ親子教室」の紹介もしています。 1歳6カ月児・3歳児健診では、内科診察、歯科診察、専門職による各種相談、保育士による遊びの紹介等が行われています。
内科診察は、市内の協力医療機関でも受けることができますが、その場合は集団健診(歯科診察・育児相談等)の受診も必要ですので、2回の受診が必要になります。保健センターまたは休日急病診療所での集団健診では、内科診察、歯科診察、各種相談等を一括して行うため、一回の受診ですみます。ぜひ、集団健診を受けましょう。