Suita市民しんぶん.Vol.3(2006)
北千里小学校は「適正規模」なのに…
廃校が、決まってないのに、予算つけ…。下手な川柳ではないが、今、北千里小学校が揺れている。地域住民、特に北千里小学校保護者の中に根強い反対の声があるにもかかわらず、吹田市はお隣の青山台小学校、古江台小学校の改修工事に乗り出した。もし北千里小学校が廃校になれば、青山台、古江台小学校に子どもたちが「転校」し、教室や給食室が不足する。何が何でも07年4月には廃校にしなければならないので、この夏休み中に工事をしてしまえ、というわけだ。改修工事の予算はなんと約1億円強。
「まだ廃校が決まっていないのに、1億円を超える予算を計上し、執行するのはおかしい」と、約150人もの住民が「住民監査請求」を提出するにいたった。住民の間にしこりを残しても、北千里小学校の廃校へと突き進む吹田市。「どうしてそこまで強引なの?」と、保護者ならずとも疑いたくなる吹田市の姿勢。前号に続いて北千里小学校問題にスポットを当ててみました。
「話し合いはムダ」市民会議は開かない
子どもたちの意見は無視されるのだろうか… 「私たちは話し合いを望んでいました。しかし5月中旬、担当理事が『これ以上あなたたちと話し合ってもムダ』『市民会議は開かない』と断言しました。ああ、これはもう住民監査請求しかないな、と判断するにいたりました」。今回の住民監査請求代表者で保護者の前田亜紀子さんが憤る。
吹田市が北千里小学校を廃校にしようとしている理由は、「学校規模適正化」。具体的には青山台小学校が、6学年で7クラスしかなく、これでは「クラス替えもできない」から、北千里小学校を廃校にして、青山台1丁目の子どもを青山台小学校に校区変更させようというものだ。
もっと子どもの立場で考えて
確かに人口の変動によって、学校を新設したり、廃校にすることはありえるだろう。しかしそれは地域住民とじっくり話し合い、納得の上で決定すべきである。何よりも転校せざるを得ない子どもにとっては、がらりと環境が変わるわけだから、慎重に事を運ぶべきだ。
このままでは住民訴訟の可能性も
「吹田市は頭から『07年から廃校』と決めてかかっているようです。強引に工事予算を計上し、この夏休みに教室と給食調理室を改修。11月には廃校を見越した就学通知。正式には12月議会で決定し、4月からGO!ですね。私たちは(1)適正規模校(北千里小)を廃校にして不適正規模校(青山台小)に吸収するのは合理的ではない、(2)「街づくり」ビジョンを考慮していない、(3)対象となる生徒や保護者の意見を聞こうとする姿勢に疑問、(4)緊急性がない、という4点から、この1億円強の予算は執行すべきでない、と6月末に住民監査請求を起こしたわけです」(北千里小元PTA会長 望月和彦さん)
気になる住民監査請求の行方であるが、吹田市はこの請求を受理した後、60日以内に回答をすることになり、その内容によっては住民訴訟となる可能性も。
「市長と語る会で質問しました。市長は『学年1クラスとなる青山台小学校は、(北千里小を廃校しなければ)クラス替えもできず地獄です』と答えられました。えっ、では『転校を余儀なくされる子は地獄ではないの?』って感じました」とは前出の望月さん。
住民感情を逆なでし、監査請求まで起こされても、廃校に突き進む吹田市。その狙いは何なのか?
「活字にされると困ります」逃げる市教委
廃校にこだわる理由をインタビューしようと、延地和子吹田市教育長にインタビューを申し込んだ。しかし教育長は「北千里小学校の問題は現在複雑な状況にあるので、活字にされると困ります」と、インタビューを拒否したのだ。「活字にされると困る」ような行政なのか!吹田市民なら本紙ならずとも抗議したくなるだろう。「うめかも」「御旅町産廃」そしてこの「北千里小学校廃校問題」。全てに共通するのは、「反対意見は聞きません。都合の悪いことは情報公開しません」という吹田市の姿勢である。
ホンマにこんなんでいいの?