大阪府立体育館廃止売却、青少年野外活動センター廃止、府民牧場民営化、ワッハ上方移転縮小…。今年4月、突然発表された大阪府の「財政再建プログラム」。橋下知事直轄の「改革PT(プロジェクトチーム)」が、市町村にも関係部局にも相談せずに、バッサリと府民の施設を切り捨てていこうとしています。
吹田市内、万博公園にある国際児童文学館も廃止の対象。でもちょっと待って!国際児童文学館は知る人ぞ知る、世界的に有名な子どもの本の博物館なのだ。本当に廃止していいのでしょうか?
橋下さん、あんた「子どもが笑う」って言うてたやん。この新聞で「勝手に吹田遺産」に登録させてもらった国際児童文学館を探検してみました。大阪府立体育館廃止売却、青少年野外活動センター廃止、府民牧場民営化、ワッハ上方移転縮小…。今年4月、突然発表された大阪府の「財政再建プログラム」。橋下知事直轄の「改革PT(プロジェクトチーム)」が、市町村にも関係部局にも相談せずに、バッサリと府民の施設を切り捨てていこうとしています。
吹田市内、万博公園にある国際児童文学館も廃止の対象。でもちょっと待って!国際児童文学館は知る人ぞ知る、世界的に有名な子どもの本の博物館なのだ。本当に廃止していいのでしょうか?
橋下さん、あんた「子どもが笑う」って言うてたやん。この新聞で「勝手に吹田遺産」に登録させてもらった国際児童文学館を探検してみました。
廃止対象となった大阪府立国際児童文学館 | キンダーブック、少年ケニヤなど懐かしい雑誌が一杯 |
「ここは図書館とは違うんです。子どもの本を文化財として次の世代に伝えるための資料館と考えてください」。私たちを案内してくれるのは専門員の小松聡子さん。
オープン以来24年、絵本や雑誌を蔵書として迎え入れ、その数なんと70万点。子どもの本としては日本一の蔵書を誇っているのだ。
絵本はもちろん、伝記や小説、科学の本などが所狭しと並んでいるが、私たち「青年探偵団」にとって興味があったのは、何と言っても漫画雑誌。少年ジャンプ、マガジン、キングなどが全て創刊号から完備している。
昭和30年発行の「なかよし」もある | 点字の絵本もあるよ |
「これは値打ちものですよ」と、小松さんが手にするのは、少女マンガ「なかよし」の創刊第2号。昭和30年に発行されたもので、当時は漫画よりも、小説など読み物が主体だった。出版社では保存されておらず、おそらくここにしか存在しない貴重な雑誌。「なかよし」だけではない。少年ケニヤ、キンダーブック、創刊間もない小学3年生…。今となってはこれは貴重な宝物である。
テレビでしか見たことのない「紙芝居」もある。「水あめ買うてへん子は見たらアカンで」。紙芝居のおじさんが一枚一枚めくってくれたこの絵はすべて「手書き」。印刷されたものではないので、現物のみの貴重なものだ。
この日はTVも取材に参加 | 外国の絵本もそろってます |
宝物がいっぱい詰まった大阪府立国際児童文学館。なぜここを廃止に?
「利用者が少ない」のが理由の一つ。しかし「当館に来られる方々は、児童文学の研究者や図書館の司書、各地域で児童文学を普及されておられる方々などです。全国からここへやってこられます。
確かに一般の図書館ではないので、数字の上では少ないかもしれません。しかし利用者の後ろには、たくさんの子どもたちがいます。それに当館がなくなってしまうと、子どもの本を保存するところがなくなる危険性があり、文化的な観点でも問題があるのではと感じます」。
見よ!この懐かしの漫画雑誌の数々 | これは貴重な手書きの紙芝居 |
「子どもが笑う」府政に、と公約した橋下知事。しかし今回の「財政再建プログラム案」では、児童文学館の廃止のほかにも、私学助成の削減、出産・育児支援事業に所得制限、子育て支援保育士事業の廃止、小学校1、2年生への35人学級編成の廃止…。
これでは「子どもを泣かせる知事」ではないか。
「僕は一生懸命やっているんです…」テレビに映される知事の涙。「泣きたいのは私たちの方や」と、テレビに突っ込みを入れた人も多かったのでは?