今、吹田市では、新市長が「財政非常事態宣言」を行い、「行政の維新プロジェクト」と名付けた市民サービス削減の計画がはじまっています。「吹田市独自」の100事業の廃止・縮小や保育園や学校給食のアウトソーシングなどがすすめられようとしています。
また、新市長は吹田市を「赤字体質」と決めつけていますが、吹田市の財政力指数は1・11であり、府下で2番目に高い水準です。市民のくらしや安全にかかわるサービスを削らなければならない状況ではありません。
地方自治体には「住民福祉の増進を図る」(地方自治法第1条)という役割があり、吹田市は福祉や子育ての分野において、国の最低基準を上回る施策を積極的に行ってきました。
「維新プロジェクト」では、公立保育園の一部民営化「推進」をすすめ、さらに民間保育所に対する助成事業や保育運営委託事業の見直しを図ろうとしています。吹田市の保育園では、1歳児4人に対し、1人の保育士が配置されていますが、国の基準は、子ども6人に対し、1人の保育士です。3歳児では、吹田市が子ども13人に対し保育士1人、国では20対1の基準です。民間園でも公立同様の配置基準で公私間格差の助成を受けています。
公立保育園は、園児とその家族に限らず、「子育て支援センター」として、地域の子育て家庭を対象にした様々な催しに取り組み、地域の民生委員やボランティアのみなさんとともに子育てのネットワークを広げてきました。「子育てするなら吹田」と高く評価される所以です。「維新プロジェクト」は、この水準を後退させようとしており、公立保育園の一部民営化推進を検討する「見直し会議」には危機感を持った180人もの保護者たちが傍聴に訪れました。
新市長のスタートは、2008年の就任直後に「財政非常事態宣言」を行った橋下知事そっくりです。「大阪都」構想をもつ橋下知事と「維新の会」は、その後、府民サービスの削減を行う一方で、WTCへ100億円以上のお金をつぎ込み、なにわ筋線延伸などのインフラ整備に税金をつぎ込もうとしています。
吹田市を「他市並み」に平準化し、吹田市消滅の「大阪都」構想の地ならしに協力する—「維新プロジェクト」の延長線上には「大阪都」があることは明らかです。