すいた市民しんぶん・スポーツ施設版(2005)
健康・生活習慣病の改善・子どもたちにもっとスポーツを、市民みんなの願いです。そしてスポーツの出番です。しかし、今、スポーツを「もうけのねた」にする制度改悪がねらわれています。
こうした改悪を先取りした東京都ではプール利用料が450円から600円に値上げ、学校教育活動などのための減額制度も一部廃止に。
企業ベースではもうけが優先現役引退後(67歳)、ライフスタイルのひとつとして、高齢者スポーツ教室(北千里・山田体育館)に参加し、健康の自己管理に注意するようになりました。スポンジテニスで20人のグループができ、週1〜2回ダブルスに家内と参加、楽しい汗を流しています。スポーツ施設が民間企業に移れば、何より、もうけの実績数値優先、企業ベースに。吹田市には早急に対応策を検討して欲しい。
吹田市のスポーツ施設のいいところってどこですか?普段着で歩いて通えて、使用料も1回100円〜200円です。体力や年齢にあわせ、専門の指導員による教室や各スポーツ種目指導員による教室も行われ好評です。「体力がつき、気持ちも積極的に」などの声とともに、子どもたちから高齢者まで利用者は年々増加しています。
「生活に欠かせない」スポーツ活動
私たちは昭和47年、片山市民体育館オープンの翌年から教室に参加、その後、「クローバー」と称して自主活動を始めて約30年が過ぎます。こんなに続けられたのも、運動を通じての健康と、仲間のおかげです。
現在はソフトバレーボールやダンス、ストレッチ体操等に取り組んでいます。 メンバーの中には、転勤で吹田市を離れた後も続けておられる方もいます。
健康・スポーツの権利は憲法で保障されていますスポーツは「もうけ」の対象ではありません。市民だれもが「健康で文化的な生活」(憲法第25条)を送り、「幸福を追求」(憲法第13条)するために保障された市民の権利です。吹田市には、その実現のための責任があると考えます。
「指定管理者制度」で施設や関係者の取り組みがだいなしになるおそれが。
●体育施設が遠のく-「もうけ」なければ閉鎖いまは各スポーツ施設が、市内全域に配置され、市民だれもが身近でスポーツを行えます。しかし「指定管理者制度」ではもうからない施設は切り捨てられます。
●高額な利用料に-スポーツは負担できる人だけ使用料は個人使用であれば2〜3時間で100〜200円、野球場でも1000円です。また高齢者や障害者の方への減免制度などもあります。しかし「指定管理者制度」では「もうけ」のため利用料の値上げは確実です。
●市民の要望が届かない-営業方針が優先いまは、市民のスポーツ施設に対する声や要望がストレートに行政や議会に届きます。その結果予算などの制約はあるものの、施設や設備・事業内容が改善されてきました。 しかし「指定管理者制度」では市民や利用者の声も、「もうけ」の範囲でしか反映されません。
●フィットネスクラブか貸し館に-はやりのメニューに限定初心者から経験者まで適切なスポーツプログラムを提供する上で専門的知識や技術を持った指導員の存在が欠かせません。しかし「指定管理者制度」では、集客可能な流行のメニュー(例えばフィットネスクラブ)の提供に限られます。その指導者と利用者との継続的コミュニケーションも難しくなります。
市民のスポーツ要求にこたえて―多彩な展開主催教室
専門職の指導員による各種スポーツ教室を幅広い年齢層を対象として開催しています。運動の楽しさ、正しい身体の動き、その必要性などを指導助言しています。
〈主催教室内容〉
高齢者スポーツ/親子体操/幼児体操/子ども体操/リフレッシュ体操/クライミング/ストレッチ&ダンベル/健康ストレッチ/等
共催教室
共催教室開催団体と教育委員会との共催で、年4期制のスポーツ教室を行っています。各教室の指導員が教室を進め、子どもから大人まで多くの方が参加されています。 教室の種目も屋内・外競技・武道等、多彩で会場も市内各施設で開催されています。
出張指導やスポーツ講座も開催施設での指導に加え、PTAや高齢クラブ、育児サークルなどからの依頼を受け、地域へ出張しての指導を行っています。また腰痛・障害予防・体力づくりなどのテーマで保健センターなど他の行政機関ともタイアップしています。 健康・スポーツに対する関心の高まりに答え、多彩なテーマと講師陣で講演会「運動はええよ!」も開催しています。
増えているスポーツ施設と利用者数
体育館設置数と運用状況(近隣市との比較)
他市との比較では、その利用者数の多さで吹田市はきわだっています。
何のためにスポーツするの?――第1位は「運動不足の解消」
(体育館利用のみなさんにお聞きしました)
体育館利用のみなさん、約300人から意見をお聞きしました。運動不足から来る生活習慣病やウエイトオーバーをなんとかしたい。自宅や職場から近く、使用料(参加料)が安いこと。そして健康面での変化が実感できること。そんな利用のきっかけが浮かんできます。
千里山竹園町在住 Mさん
主婦になってから運動とは無縁でしたが、「体育館のエアロビクス行ってみない」との友人の誘いがきっかけでした。何年か楽しく通ううちに体力・体型・健康の改善はもちろんのこと、気持ちの面でも大きく変化していることに気づきました。「以前は何事にも消極的だった」というと、「うそやろ」と笑われます。運動のおかげで心身ともに成長させてもらいました。吹田に移って17年、吹田で本当によかったと思っています。体育施設、指導員の質の高さ等、吹田市のように充実したところはありません。民営化の推進はこうした価値ある市民の財産をだいなしにしてしまいます。決して施設を空虚な箱にしないでください。閑散とした状況ならまだしも、教室等の盛況ぶりは一目瞭然です。今後とも、市民の気持ちを反映した心ある運営をお願いいたします。
山田西在住 Hさん
スポーツには興味がなかったが、60歳を過ぎ体力の衰えを感じ教室に通うことに。70歳を機に西国三十三カ寺めぐりに参加、急坂道や長い石段に挑戦できたのも体育館のおかげです。糖尿・高血圧・高脂血症で通院していますが、悪化しないのは教室参加と食事制限の効果です。「民間でできることは民間で」は耳障りはよいが、では吹田市はいったい何を?
藤白台在住 Kさん
マラソンのトレーニングのため友人の誘いもあり、体育館に通い始めました。その後長女や次女も参加し、クライミングに興味のあった婿も含めファミリーで楽しんでいます。健康や一日の生活リズムに気を使うようになり、体調が良好になりました。小さい子どもでも安心して連れて行け、一緒に汗をかいています。民間スポーツ施設では、子ども同伴というわけには行きません。
身近で安全・快適なスポーツ施設を
●市内どこに住んでも徒歩で通える現在の施設配置を存続すること
●サッカーなど屋外競技が開催できる施設の拡充を
●老朽化した施設の改修やトレーニングマシンの更新、夏季にも利用しやすい空調設備、周辺駐車場の整備を
●低廉な使用料や利用時間の拡大などさらに利用しやすい運営を
気軽に楽しく参加できる事業を
●専門の指導員を増員し、子どもからお年寄りまでライフスタイルと体力に応じた教室のいっそうの充実を
地域スポーツネットワークづくりを
●子どもたちの健康・運動能力の向上のため学校体育やクラブ活動と協力し、地域のスポーツネットワークづくりを
●施設まで足を運べない市民もスポーツを、地域と協力した指導員の出前教室の拡充を
スポーツ施設の営利目的化を許さない
●利益優先の施設運営では市民の健康や安全は守れません。「指定管理者制度」などによる民間企業への売りわたしは許せません