すいた市民しんぶん・春号(2005)
いま、山田図書館を閉鎖して、山田駅前建設予定の公共公益施設へ移転するという計画が進められています。地元住民にとっても「寝耳に水」のこの計画に、あちこちから疑問の声が上がっています。図書館建設の優先順位でいけば、次は千里丘地域だったはず。一方で「財政難」を強調しておきながら、閉館してまで新館建設をするとは、あまりにも無計画ではないでしょうか?
こんな計画一体だれが決めたの山三地区 自治連合協議会 Fさん
山田図書館は、山三地区に隣接していますので、お年寄りや子どもたちを含め地区の住民が大いに利用しており、地域にとってなくてはならない施設です。この山田図書館がもし山田駅前に移転されるようなことがあれば、地域の貴重な文化施設がなくなることになり、これは大変な問題です。お年寄りや子どもたちがバスに乗って遠くの図書館に行くことはできないと思います。このような重大なことを検討するのなら、まず地域の思いを聞いてからすすめるべきではないでしょうか。
地元住民の方とつくりあげた、子どもも利用しやすい図書館です開館当初、山田図書館に勤務していたMさん
私は昭和62年、山田図書館の開館と同時に採用、配属されました。「とにかく忙しいんや!きばってや!」当時の館長にこう言われ、夢中で働きました。
先輩から、「ここの図書館は、関係団体・地元住民と共同して講演会やシンポジウムを重ねて開館したんやで」と聞き、身のしまる思いがしたのを、今でもよくおぼえています。
そんな山田図書館は、今や地元にとってなくてはならない存在です。平日の午前中は、高齢者や子連れのお母さんたちが、午後になると子どもたちがつれだってやってきます。土日は家族そろっての利用も多く、とてもにぎわいます。吹田市では2番目に小さい図書館ですが、児童書の貸出冊数は3番目、児童書の予約は2番目の多さです。子どもの読書離れが言われて久しいですが、これだけの実績があるのは、やはり地元住民の方とつくりあげた図書館だからこそだと思います。無計画・住民無視の閉館には、絶対反対です!
市民に知らせずすすめるやり方はひきょうです山田駅周辺・まちづくり懇談会に参加していたKさん
懇談会では、青少年のためのいい施設をつくろうと地域住民が議論してきましたが、最終回になって突然、吹田市から「図書館を入れたい」といわれました。それまでの経過と違う突然の申し出に、「今までの私たちの議論は何やったんや!」とがっかりです。しかも、「図書館を入れたい」というだけで「今の山田図書館をなくす」とは一言もいいませんでした。こんなやり方はひきょうです。「青少年・子育ての拠点」という施設の位置づけからすれば、保健センターなどの機能も検討されていいハズなのに。
近くに図書館のない地域がひろがる現山田図書館が移転となれば、図書館未設置地域はますます広がります。月1回の自動車文庫の巡回だけでは不十分です。千里山・佐井寺地域の図書館整備後は、千里丘地域、岸部地域の図書館設置を検討するのが市の方針だったはず。このまま住民の期待を裏切ってもよいのでしょうか?
「次は千里丘・岸部地域に図書館を」という市の約束は、どうなるの?「千里山・佐井寺地域の図書館整備の後に山田・千里丘地域に図書館設置を検討する」 (千里丘地区自治会長懇談会での市長発言・市報すいた1995年10月10日号掲載) 吹田市では市内を(1)片山・岸部(2)千里ニュータウン(3)豊津・南吹田(4)山田・千里丘(5)JR以南(6)千里山・佐井寺の6つのブロックに分けて地域ごとに図書館を建設してきました。しかし同じブロックでも不便な地域の人々の声に対して市では「6ブロックの図書館が完成後に、各地域ブロック2館目の設置を検討する」と発言しています。
「千里丘・JR以南地域の図書館建設は、現在の図書館利用が不便な地域の利用状況などを調べた上で検討していきたい」(2004年3月市議会での社会教育部長の答弁) 04年5月千里山・佐井寺図書館がオープンし、吹田市が計画していた地域ごとの図書館整備は終了しました。3月の市議会では「これからの市の方針として、老朽化がすすむ館の建て替えや千里丘など利用が不便な地域に新館建設を検討する」と答弁しました。
私たちも図書館がほしい!住民の意見をきいて!
やっぱり家の近所に図書館がほしいです
千里丘中在住 Hさん
今年から、「ブックスタートのひろば」で赤ちゃんの読み聞かせのボランティアをさせてもらいながら、図書館を利用するようになりました。図書館のいいところは、どんな本か借りてゆっくり吟味してから欲しい本だけ買えるということです。今までむやみやたらに買っていたのが図書館のおかげで金銭的にも助かるし、また司書の方たちがいろいろ相談にのってくれ、毎日がとても充実しております。我が地域千里丘には、図書館がありません。そのせいか子ども達も今イチ、本が身近ではないようです。千里丘の山のてべっちょに図書館ができることを切望しています。
千里丘地域は図書館がなくて不便です樫切山在住 Hさん
山田図書館は、子ども同士が低学年でも待ち合わせて行ける図書館で、南山田地区の子ども達もよく利用しています。千里丘地域には図書館がなく不便です。今度地区内のマンションの一角をお借りして移動図書館を実施してもらうこととなりました。このうえ、もし山田図書館が移転すれば、千里丘地域での図書館利用はますます不便になってしまいます。文化施設が全くない千里丘地域の住民の意見も聞いてほしいと思います。
「だれもが利用しやすい図書館にしたい」図書館で働く私たちはこう考えます
・図書館サービスの空白地帯をなくします。
・「知る権利」を保障する機関として、市民生活に貢献します。
・豊富な資料をとりそろえ、さまざまな要望にこたえます。
・赤ちゃんからお年寄りまで、障害のある方にもきめ細かに読書生活を支えます。
・図書館のバリアフリー化をすすめます。
・身近な疑問からビジネス支援まで、専門職である「図書館司書」があなたをサポートします。
・安易に民間委託せず、市が責任を持って運営し、資料提供「無料の原則」も守ります。
・市民参加をすすめ、利用者の声を反映させた図書館運営をすすめます。