すいた市民しんぶん・図書館版.No1(2004)
「山田図書館が山田駅前に移転される!?」前回の市民新聞(図書館版)の報道に対して「山田図書館をなくさないで」「千里丘・岸部地域にも図書館をつくってほしい」と非常に大きな反響をいただきました。地域住民の皆さんの署名運動も始まり、「図書館を考えるつどい」も山田地域、千里丘地域で行われました。住民の切実な要望をふまえて吹田市に働きかけた結果、今の山田図書館は残ることになりました。
しかし、山田駅前に新しい図書館をつくる計画は「千里丘地域に図書館を」という住民の声をおきざりにしたまますすめられています。山田駅前図書館が「住民の財産」として公的な責任で運営されるのか、千里丘地域の住民の声にどうこたえるのか、新たな問題ももちあがっています。
これまでどおり吹田市が運営してこそ山田駅前図書館が公的な責任で運営されるのではなく、「民間企業に丸投げ」して運営されることになれば、「こんな図書館をつくってほしい」という住民の皆さんの意見を図書館づくりにいかすことはできません。
吹田市の図書館には昨年、図書館協議会が設置され、住民の意思を反映する図書館運営がすすんでいます。行政が責任を持ってこそ住民の皆さんの願いをあつめた図書館づくりができるのではないでしょうか。
市民に役立つ情報を公平・無料で赤ちゃんから高齢者までさまざまな人が利用する図書館はだれもが公平に無料で利用できる施設です。吹田市の図書館では、本や雑誌、CD、ビデオの貸し出しのほかに読書相談、視覚障害などを持つ方のための対面朗読やインターネット端末の利用サービス、赤ちゃんや子どもに向けた読み聞かせなどを行っています。
コスト優先の民間企業に図書館が運営されることになると、コストのかかるサービスがある日、突然打ち切られるおそれもあります。
市民のくらしや仕事、学習に役立つ情報を提供することによって市民の知る権利、学習する権利を保障する図書館づくりが求められています。
山田地域でも住民の意見・要望を聞いて山田西在住 Sさん
山田駅前周辺では整備事業がすすみ、マンションが林立し、まちの様子は一変しています。これまでは高齢者の多いまちでしたが、これからは若い子育て世帯が増えることでしょう。千里山・佐井寺図書館を建設されたときは、住民の意見・要望を聞いてすすめられたそうですが、図書館を駅前に建設するのであれば、山田地域でもそのような住民参加の図書館づくりをすすめていただきたいと思います。
誰もが安心して利用できる図書館を山田東在住 Mさん(音訳グループ「竹の会」代表)
「竹の会」は、対面朗読や音訳テープの製作などで視覚障害者の図書館利用のお手伝いをしています。新しい図書館では、対面朗読室などを整備し、市が責任をもって「誰もが安心して利用できる図書館」にしてほしいと思います。図書館が民間で運営されても、障害を持つ方へのきめ細かい図書館サービスが本当にできるのでしょうか。山田地域にはたくさんのボランティアが活動しています。これまでどおり、行政がボランティアを育成し、協力しながらのサービス展開していただきたいのです。
次の図書館は千里丘じゃなかったの?!吹田市は、山田駅前に図書館を建設しようとしていますが、もともと「次は千里丘」というのがこれまでの考えだったはず。このことについて、いまだに千里丘地域の住民には何の説明もないのです。
2月5日千里丘市民センターで、千里丘地域に図書館を求める市民の皆さんがつどいを開催されました。会場いっぱいの62人が参加され、「図書館をつくってほしい」という熱気あふれるつどいでした。
住民の皆さんからは、「マンション建設がすすみ子どもが増えてきている、子どもと本の出会いの場、子どもの居場所として図書館をぜひつくってほしい」「公共施設のない千里丘地域で、長年自動車文庫だけで我慢してきたが、もう我慢できない」「千里丘に図書館がないので、やむなく茨木市の図書館に行っているが、見るだけで借りられない、せめて茨木市の図書館を利用できるようにしてほしい」などの切実な意見が相次ぎました。
千里丘地域の皆さんの切実な声を置きざりにしたまま、山田駅前だけをすすめていいのでしょうか。
「すいた市民しんぶん図書館版」に市民の意見が続々(合計277通の抜粋)●JR千里丘駅周辺に是非図書館を作ってほしいです。山二公民館などの施設と併設してオープンするなど、工夫して頂きたい。(千里丘下)
●今年5月に出産し、子どもに本をたくさん読んであげたいと思いましたが、図書館が近くにありません。自動車文庫は月に1回、それも1時間程度。もっとゆっくりと落ち着いた気持ちの中で本に触れたいと思いますし、月1回では、その日に用事があれば、無理ですし…。吹田は子どもにやさしいところときいていただけに、残念です。同じ地域につくることも良いことかもしれませんが、図書館のない地域につくる方が重要ではないでしょうか?(新芦屋下)
●娘がずっと引き込もっていましたがようやく外へ出られるようになりました。図書館が、一番行ける場所なのですが、山田図書館は遠くて行けず、JRに乗って以前住んでいた高槻の図書館へ行っています。千里丘地域に図書館があればすごくいいなあと思います。不登校の子や中退の子が、安心して行ける場所を身近に作ってもらえたらありがたいです。(千里丘西)
市民のみなさんとともにこんな図書館を
経験豊かな司書が図書館の利用をサポートします
障害者や高齢者などの情報弱者に対するきめ細かな図書館サービス
地域内の公民館、学校、幼稚園、保育園、児童センター、高齢者施設、障害者施設などを図書館と結ぶネットワークづくり
青少年・子育て支援の拠点施設にふさわしい図書館サービスの拡充