環境か 開発か 市民の意見で決めましょう
私たちは今、「人口減少の時代」に生きています。団塊の世代が職場から去り始める「2007年問題」も、すぐそこまで。これからは今までのような「右肩上がり」の発展は見込めません。今そこにある住宅や公園、施設や道路をいかに大切に使っていくか、が問われています。
時代を反映して吹田市の財政も火の車。貴重な市税を、いわゆる「ハコモノ」に使うのではなく、福祉や教育など、住民のために使ってほしい。今では貴重な緑となった田んぼや雑木林を切り開く「開発優先」ではなく、「環境と調和した街づくり」をめざしてほしい。そんな願いを込めて今、「住民の声を聞いてほしい」と訴える市民のみなさんに登場願いました。
“財政難”と言いながら大型開発!?
市民のくらしや福祉はどうなるの?
吹田市は「財政難」といいながら地下鉄8号線の岸部への延伸と吹田操車場跡地の開発、江坂駅周辺の整備、外環状鉄道(仮称)西吹田駅周辺整備、千里ニュータウンの開発といった「東西南北の拠点整備」を打ち出しています(1月15日に行われた「市長が語る吹田操車場跡地のまちづくり」より)。財政難といいながら「大型開発」!? これでは市民のくらしや福祉は守れないのではないでしょうか。
どうして急ぐニュータウン建て替え計画
納得できる話し合いがしたいのに…
千里ニュータウン在住 Tさん
藤白台では大阪府の公社住宅の建て替えがすすめられています。私たちの住宅は高齢の年金生活者が多く居住年数も長いのが特徴です。みんな「このまちでこれからも暮らしたい」と願っています。しかし、公社は昨年10月に初めて住民に説明したばかりなのに、住民の声を聞かずに一方的に建て替えの手続きをすすめようというのです。まるで官製地上げ屋のような対応です。私たちは「性急な建て替えでなく住民が納得できるように話し合いをしてほしい」と訴えていますが、公社ばかりか吹田市も住民の声を聞こうとしていません。
市長さんが「市民参加のまち」を言われるのなら、吹田市は建て替え問題で苦しむ住民の声を、もっと聞くべきではないでしょうか。
どうなってるんでしょう?日本生命住宅跡地の開発
住民から不安の声が続出しています
長野東在住 Yさん
日本生命住宅跡地の開発について、南山田地域の住民の皆さんからは、「開発の内容が住民に知らされていない。この地域全体の環境に関わる問題なのに、周辺の一部住民以外は開発内容が知らされていないのです。」と不安の声があがっています。また、開発にともない南山田小学校の通学路が変更になりましたが、小学生のお母さんたちからも、「これまでも勾配が急すぎて通学路に指定していなかった道が通学路になり、子どもたちの通学がとても心配です。吹田市が『子どもの安全・安心』を言うのなら、通学路の安全を確保する方策をとってほしいのです。」と切実な声が出されています。吹田市はこのような市民の声にもっと耳を傾けるべきです。
市民みんなで決めたい梅田貨物駅の移転問題
泉町在住 Fさん
梅田貨物駅の吹田移転問題について、「市長だけで勝手に決めないで」「大事なことはみんなで決めよう」という住民投票運動に取り組んできました。住民投票を求める署名は、さる1月24日に告示され、地域で集め始めました。この署名は住所・氏名のほかに、生年月日と印鑑が必要で、署名できるのは吹田市在住の有権者に限るという厳しい条件です。
わずか1ヶ月という短期間でしたが、マスコミも注目する中で、4万筆を超える署名が集まりました。吹田市民のマジョリティ(多数派)は、「住民投票で決めたい」ということです。
この署名数が確定すれば市議会が開催されます。議会で条例が可決されれば住民投票が実施され、私たち一人ひとりの民意を示すことができます。逆に否決されれば「勝手に決められた」ことになります。下の図に示すようにこの問題は吹田市全体の公害問題でもあります。今後は吹田市議会議員のみなさんに条例案を可決するようにお願いしていくつもりです。
環境問題は一年前と変わらず
ここが言いたい!
「財政が厳しい」時代だからこそ「人間優先」で
「協働と協育」「市民参画」「自助、互助、公助」…阪口吹田市長がよく口にされる言葉です。市民のみなさんと手を携えて市民参加で市政を運営したい、とおっしゃる市長ですが、その言葉と行動は裏腹のようです。吹田各地で「高層マンション建設反対」の声が上がっていますが、ほとんどの開発は業者の予定通りに進んでいきます。吹田操車場跡地へ梅田貨物駅が移転される問題でも、市長はJR東海道線沿線をはじめ住民の声に耳を傾けようとはしません。「開発優先」では高齢者や障害者などの福祉や子育ての行政水準を守ることは困難です。「財政が厳しい」時代だからこそ、市民の声をじっくり聞いて、何を削って何を充実させるか、を決定してほしい。大事なのは「開発優先」ではなく「人間優先」です。