「告!私道を勝手に埋めるな!見つけ次第責任を問う。地主」。手書きの「お触れ書き」が電柱に貼ってある。その「私道」には大きな穴がぽっかりと口を開け、水が溜まっている。自動車、単車などは慎重に、穴にはまらないように通り過ぎていく。
ここは吹田市新芦屋下。「道路」を所有する地主が、工事を許さないため、いまだに砂利道であったり、舗装されているところでもひび割れ、大穴、地面から浮き上がるマンホールのふた、段差・・・。
「危ないですよ。この家の奥さん、夜中にこの穴にはまって怪我されたようですよ」とは、地元の春田圭子さん。「危ないからって、穴を埋めようとしたら、『人の道に何するんや』と埋めることもできないんです」。
99%下水道は普及
新芦屋は汲み取り…
新芦屋の開発は、昭和30〜40年代。道路は吹田市の「公道」として、移管されるべきだった。ところが、「道路の所有権」だけは、問題の不動産業者が握り締めたまま。
99・8%。ほぼ吹田市全域に下水道が建設された。しかし例外がある。新芦屋の場合、「私道の地主」が道路掘削を認めず、下水の敷設を拒否。結果、多くの家庭が今だに汲み取りか浄化槽での汚水処理。
もし、自宅まで上下水や、ガスなどを引くために、「私道」を掘削しようとすれば、この不動産業者に「私道掘削料」を支払わねばならない。
「業者は『道路ころがし』するんです。所有権が移転されるたびに、持ち主が悪徳になる。
道路を公道にと頼んでも、役所は『民と民の話に、不介入』と逃げ。仕方なく『下水を通して』の請願を集めた」。春田さんたちの願いは、昨年12月議会で全会派が採択。
吹田市としても、いつまでも「民と民の問題」とほったらかしにはできないはずだ。
(2ページ〜6ページの座談会記事も参照下さい)