「寝屋川病」で大変だ!
次は吹田市か?
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廃プラ工場が操業して公害が広がっています、と訴える長野晃さん
寝屋川の廃プラスチック処理工場周辺地域が大変なことになっている。のどの痛みや湿疹、目のかゆみを訴える人々が続出し、杉並病ならぬ「寝屋川病」の様相を示しているとか。おりしも吹田市では市始まって以来の廃プラスチック処理工場建設が進んでいる。本当に大丈夫なのか?現地からレポートします。
1つの企業が廃プラ処理だけで10数億円
カラスも居なくなり、人間は、病院で点滴
「あの建物が問題の業者、リサイクル・アンド・イコール社。その向こうは4市共同リサイクル工場です。これら2つの廃プラスチック工場の後ろは第2京阪道路が建設中。この地域は廃プラと排ガスの複合汚染にさらされるのです」。本日私たちを案内してくれるのは、「廃プラ処理による公害から健康と環境を守る会」の長野晃さん。4市共同リサイクル工場とは、寝屋川市、枚方市、交野市、四条畷市。つまりこの地域の人々にとっては、他所から運び込まれる廃プラに悩み続けることになる。
向こうからハスキー犬を連れて散歩する女性がやってくる。長野さんの知り合いだ。「最近身体の調子はどうです?」「私も調子悪くなったけど、この子が」とハスキー犬を指差す。「目から血が出て、獣医に見せたら『ガンや』と。ゼンソクになった犬や猫も多いし、カラスも全然いてへんようになったね」「まず動物に現れるんですよ、それから人間ですね」と長野さん。
処理工場に次々と運び込まれる廃プラスチック
イコール社を見下ろす丘の上に登る。「あっ、臭いますね」。甘酸っぱいトイレの芳香剤のようなにおい。「廃プラを圧縮したり、折れ曲げたりするときに出るにおいです」。イコール社の社屋には黄色い袋が積み上げられている。あの中に廃プラスチックが詰め込まれている。「業者は廃プラを引き取るだけでトン当たり10万円もらえます。それをリサイクルし、『パレット』にして売ってまた儲ける、イコール社は年間約11億円もの処理費用を行政から、そして1億数千万をパレット販売で、二重に儲ける仕組みが出来上がっているのです」。廃プラ処理で年間10数億円。近隣住民の健康被害など考えず、強引に操業した業者の論理。
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咳が止まらない、のどが痛い、鼻水が…住民たちは口々に体調不良を訴えた
公民館に近隣住民のみなさんが集まってくださった。
「一昨年11月、イコール社がテスト操業を始めてから、夜中セキが出て眠れなくなりました。おばあちゃんも体調を崩してしまって。でも不思議と旅行に行けばサッパリと治る。廃プラの影響に間違いないと思います」
「庭にキンカンの実がなるけど、今は鳥も食べに来なくなりました」
「ある日、一日中ゴミくさいにおいがして、のどが痛くなり、眠れませんでした。翌朝、今度は目がはれて顔の形相が変わってしまいました。病院へ行くとすぐに点滴。39度近い熱が出て、その日から毎日病院へ通っています」
被害者が集団発生している。これはもう「寝屋川病」だ。住民たちは操業差止めを求める裁判を起こしている。判決は来春。人間の命に関することだけに、事態は深刻。本来は寝屋川市と大阪府が、この業者を規制するべきだったと感じる。
吹田では東御旅町に
初めての「廃プラスチック工場」建設がすすんでいる
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吹田でも、廃プラ工場が作られてしまった。寝屋川のようにならなければよいが…
さてわが吹田市も、東御旅町に廃プラ処理施設が建設されようとしている。この工場のすぐ裏には保育園、周囲は工場跡地に建設されたマンションだ。
「廃プラ処理施設反対!」の声もむなしく、吹田市長はこの業者に建設許可を下ろし、操業はすでに秒読みに入っている。今からでも遅くない。吹田市として調停に入り、業者に対して、操業させないような指導をするべきだと思うのだが。