吹田市労働組合連合会
吹田市非常勤職員雇い止め撤回闘争対策委員会
吹田市の総合福祉会館で、障がい者を対象としたデイサービス事業に従事していた2人の非常勤職員が、事業の民間委託を理由に雇い止めされる事件が起こりました。
2人は総合福祉会館で1年間の雇用を20年以上もくり返し、非常勤職員として働いてきました。吹田市では過去に一度も本人の希望に反する雇い止めはありませんでした。担当事業が廃止される場合も、配置転換により雇用が守られてきました。
「これまでつちかってきた知識や専門性をこれからも市の職員として発揮していきたい」「公務職場には多くの非正規職員ががんばっている。自分たちだけのことではない。こんなことを許してはいけない」と、雇い止めの撤回と損害賠償を求めて裁判をたたかっています。
みなさまのご支援を心よりお願いします。
総合福祉会館のオープンとともに、障がい者を対象としたデイサービス事業で非常勤職員として正規職員同様に25年間働いてきました。「福祉のまち・吹田」にも、潜在的に長期在宅を余儀なくされ、孤立し、外出もできず、適切な医療にもかかれないなど、障がい者の深刻な実態があることに驚きました。現在も、医療的ケアー、リハビリ、入浴サービスなどを必要とする障がい者の対応をする専門職員の配置や設備のある施設が絶対的に不足しています。
このような公的な福祉施設を簡単に委託することは、理解できません。そして私たちのように25年間働いても退職金もなく、一方的に雇い止めされるようでは生活できません。こんなことは絶対に許せません。
福田 廣子さん
私は21年間、吹田市の福祉現場で老人事業の生活指導員、障がい者事業の生活指導員としてがんばってきました。以前に従事していた老人事業が廃止された時も、吹田市は「非常勤職員の雇い止めはしない」と説明し、障がい者事業への異動で雇用が守られました。
しかし2012年3月28日、仕事のあとに呼び出され「9月末で雇い止めにする」と言われました。利用者さんと家族さんに充分な説明もできず、退職を余儀なくされました。
吹田市の福祉を切り捨てないように、また、吹田市の600人をこえる非常勤職員が、私たちのように切り捨てられないようにがんばっていきたいと思います。皆さんのお力添えをよろしくお願いします。
「行政の維新プロジェクト」によって、学校給食をはじめ公的事業の民間委託がすすめられています。しかし、市が財政難を理由に、事業の委託料を引き下げるために、委託労働者の賃金は下がる一方で働き続けることができず、労働者の入れ替わりが激しくなっています。経験の蓄積が大事な福祉施設では、利用者にとっても深刻な問題です。
吹田市は、貯金(財政調整基金)を取り崩し、借金(赤字地方債の発行)をしなければやっていけない「財政非常事態」を宣言。しかし、予算では37億円と見込まれていた借金は決算ではゼロ。48億円と見込まれていた取り崩しも2億5000万円にとどまりました。 「財政非常事態」の根拠が崩れ去ったにもかかわらず、昨年4月から、「福祉バスきごう号」の廃止などの市民サービスの大削減が強行されたのです。
自治体で働く非正規職員の雇い止めは、民間よりも安易に行われています。この裁判は、非正規職員が手を組んで、安定した生活と権利を勝ち取るために重要です。 自治体では、正規職員と非正規職員との差別が横行しています。この裁判は、正規職員と非正規職員が手を組んで、当局による差別的処遇を是正し、労働条件の底上げを図るために重要です。自治体では、公務の民営化、非正規化により、住民の暮らしと安心をないがしろにする事態が広がっています。この裁判は、公務労働者と住民が手を組んで、地域住民に行きとどく安定的で継続的な公務を実現するために重要です。
非正規職員なしで市民サービスは維持できない
吹田市は、この10年あまり正規職員を非正規職員におきかえてきました。どこの職場にも6ヵ月雇用のアルバイトや1年雇用の非常勤職員が増え、市民サービスは非正規職員なしでは維持できないほどに。
井上市政がすすめる「行政の維新プロジェクト」による職員採用凍結で、さらに非正規職員が増加。今や吹田市の非正規職員比率は42.4%にも。
民間企業や他の自治体では非正規比率が3割程度といわれる中で、10%近くも上回る吹田市役所は異常な事態です。 しかも、アルバイトは交通費すら全額支給されず、10年目でも1年目でも同じ給料です。非常勤職員も10年、20年と働いても手当も退職金もありません。
こんな「官製ワーキングプア」では働き続けられるかどうか、みんな不安をもちながらも、市民のために懸命です。
半年、1年の契約更新をくり返しながら市民サービスを支えてきたのに、「使い捨てのコマ」のように簡単に雇い止めされるのでは、安
心して仕事に専念できません。
「官製ワーキングプア」では安心して仕事ができない
吹田市障害児・者を守る連絡協議会 会長 金沢 秞子さん
総合福祉会館の障害者デイサービス事業は、創設以来、地域の障害のある人への積極的なアプローチも行い、完全在宅となっている障害のある人を一人でも減らそうと「直営事業」としての積極的な役割を発揮してきました。 ところが、突然打ち出された民間委託の方針のもと、長年に渡って現場を支えてきた非常勤職員も年度途中で雇い止めという一方的な対応が行われました。行政の都合を優先するこのような「当事者不在」の進め方でいいのでしょうか。
働き方ASU-NET 元自治労連中央副委員長 川西 玲子さん
労働者の「雇用の安定」と「賃上げ」がデフレ経済を立て直すために、今最も必要だということは、多くの経済学者の常識になっています。
また、この4月には「有期労働」をくり返し更新して働いてきた人たちが「無期雇用」に転換できる「労働契約法」も改正されました。
こんな動きに逆流して、自治体が20年以上も経験を生かして働いてきた労働者を「クビ」にするとは、許されません。
吹田市労働組合連合会 吹田市非常勤職員雇い止め撤回闘争対策委員会
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