ジャーナリスト 西谷文和
すいた市民しんぶんVol.26(2012)
シリアでは独裁政権打倒を叫ぶ民衆と、そのデモや集会を徹底的に武力弾圧するシリア軍の間で、事実上の内戦を繰り広げている。シリアのアサド政権は、デモ参加者を戦車砲、重機関砲で撃ち殺していて、死者1万人以上、20万人以上もの人々が難民となっている(国連発表)。そんな実態を取材するため、私はシリアの隣国、レバノンへ飛んだ。
レバノンの首都ベイルートから車で北へ2時間、シリアとの国境の町トリポリへ。
トリポリというとリビアを思い浮かべる人が多いかもしれないが、ここレバノンにもトリポリが存在する。地中海貿易で栄えた9世紀、シドン、ティール、アラドスの3つの都市の交易センターがこの町に置かれた。3つの町、つまりトリ(3つの)ポリス(町)が町の起源だ。
この歴史あるトリポリの町に、多数のシリア難民が逃げてきている。トリポリの貧困層居住地域には、その名も「シリア通り」がある。シリア難民がたくさん住んでいるから?
違う。この通りを境界線にして、山側が「親アサド派」、海側が「反アサド派」なのだ。今回のシリア紛争をキッカケにして、ここトリポリでも住民たちが激しく対立、今年に入ってロケット弾攻撃、銃撃戦が散発している。
「シリア通り」沿いの自動車修理工場。修理工として働く13~15歳の少年にカメラを向ける。
―シリアから逃げて来たの?シリア難民の少年たち。学校に行けないので、自動車修理工として働いていた
うん。
―学校には行ってるの?
ううん。僕たちは学校に行ってはいけないんだって。
―将来は何になりたいの?
兵士。
―誰と戦うの?
アサドを殺したい。
少年たちは、なぜこれほどアサド政権を憎んでいるのか?
それは虐殺の悲惨さ、容赦ない拷問だ。
「激戦地ホムスから逃げてきました。シリア兵士は、赤ちゃんまで皆殺しにしています。生後3ヶ月の子どもを地面に叩き付けて殺すのを見ました。母親も殴り殺しました。夫が軍を離反して、自由シリア軍に入ったから、残された家族を見せしめのように殺していくのです」
人道支援物資を配るNGOのビルで出会った女性が、タオルで顔を隠しながら、英語で切々と訴えてくれた。なぜ顔を隠すかというと、ビデオカメラの前でアサドの犯罪を告発したことがバレると、シリアに残された家族が殺されてしまうからだ。
「反アサド派」住民宅に間借りしている30歳代の若者。やはりタオルで顔を巻いてから、証言する。
―あなたは秘密警察に捕まって拷問を受けたのですね?
2ℓのペプシを飲まされ、ペニスをひもでしばられた
捕まえたデモ参加者の身体に乗って記念撮影するシリア兵(シリア兵がYOU TUBEに流したもの)
「6ヶ月前、ホムスでデモをしていたら、秘密警察に拘束されました。そこで世界最悪の拷問を受けました」
―具体的には?
「両手に手錠をかけられ、天井から吊るされました。その後殴る蹴るの拷問を受け、左耳は聴こえなくなりました。2度、意識を失いました」
―拷問は殴る蹴るだけでしたか?
「2リットル入りのコーラを、飲め飲めと無理矢理飲まされ、その後大量の水を。お腹がパンパンにふくらんだ後、ペニスをヒモで縛られました。その状態で放置されたので…」
膀胱がおかしくなってしまった。おしっこは垂れ流し状態でずっとおむつをしている。そして男性としての機能も奪われてしまった。
別の古ぼけたビルに、黒いアバヤを来た女性。
「イドリブから逃げて来たの。町はシリア軍の空爆で破壊されてしまったわ。そして私の娘(22歳)が行方不明なの」
―えっ、娘さんが?
「娘はイドリブ大学の学生だった。シリア軍が大学に来て13人の女子大学生をさらっていった。そして秘密警察から電話がかかってきて、『娘を返してほしかったら巨額の身代金を払え』と」
―払えなかったのですね。
「このままだと私の他の娘もさらわれると思ったの。身代金なんて払えるあてもないので、誘拐された娘と国を捨ててここへ逃げてきたのよ」 イドリブは、ホムスと並ぶ最激戦地の1つ。13名の女子大生はレイプされたのかもしれない。戦争とレイプ、ドラッグはつきものだ。 トリポリからシリア国境までは車で1時間ほど。シリアとの国境には川が流れ、渓谷になっていた。レバノンの町ハルバー側の山からシリア側の山を撮影。山裾に白い家とモスクが見える。あちらはシリアのタッカラという町。川底にシリア軍の検問所。あの検問所から、白い道が真っすぐタッカラの方向に伸びている。民家の陰に隠れて、検問所を撮影。何しろ、国境で撮影していることがバレたら、撃ってくる。スナイパーはゴルゴ13級の腕前なのか、武器の性能が発達したからか、ジャーナリストも撃たれて亡くなっている。
「さっと撮影しろよ」。通訳のモハンマドが注意する。
無事、国境を撮影した後、避難民一時滞在所へ。ここにも拷問を受けた人が多数。
匿名を条件に取材に応じてくれる。
Aさんは、さっき見てきたタッカラの町でデモに参加していた。6ヶ月前のこと。突然デモに戦車砲が撃ち込まれた。即死者、血だらけになって逃げ回る人、その場で倒れ込む人…。彼は負傷して、道に倒れ込んでしまった。
軍がやって来た。彼らは道ばたに倒れたデモ参加者たちを、次々に射殺していった。自分の番が来た。死を覚悟した。ピストルで背中を撃たれ意識を失った。
軍が帰ると、次に来たのがゴミ収集車。トラックに積み上げられた遺体は、一カ所にまとめて投げ捨てられた。
近所の人々が泣きながら、息子や従兄弟の遺体を埋葬しようと思ってやってきた。イスラムは土葬で、埋める前に身体を洗い、清めなければならない。Aさんの遺体を洗おうと思ったら、まだかすかに息があった。
まだ死んではいない!そう確信した近所の人々は、自由シリア軍に連絡して、秘密裏に国境を抜けて、この町へと運んだ。
この時の虐殺は、少なくとも40人以上と言われている。そして助かったのはAさんを含めてわずか3人だ。
Bさんはガスバーナーで焼かれた。
2日間気を失ったという
Bさんは6ヶ月間ホムスの刑務所に拘留された。Bさんが衣服を脱いでくれたとき、私は息を飲んだ。
全身の皮膚がむけて白い肌が露出している。
ガスバーナーで焼かれたのだ。足や手、腹に背中。何度も焼かれているうちに彼は気を失い、48時間後に目覚めた時は病院のベッドの上だった。
トリポリ市民病院へ。外科病棟のベッドは満床。全てシリアからの怪我人だった。片足をなくした人がいる。デモに参加して、スナイパーに撃たれた。シリア軍は重機関砲で撃ってきた。15ミリ弾。つまり直径1.5センチ、長さ10センチ程度の、鉄板をも貫く威力。銃弾がもう少し上に、つまり下腹部に当たっていたら即死だった。
この病院で「奇妙な患者」を見た。奇声を上げ、全身をブルブルと震わせている。髪の毛はごっそりと抜け落ち、目はうつろ。
「化学兵器だよ」。医師がケミカル、ケミカル(化学)と連呼する。神経マヒガスを撃ったのか?
もしシリア軍が化学兵器を使用したとすれば、これは間違いなく戦争犯罪である。アサド大統領は国際的な非難を浴びるだろう。医師たちは「間違いない」と証言してくれたのだが、これを証明するのは難しい。
カブールのあちこちで道路工事やニュータウンの建設工事が進行中だ。米軍からアフガン軍へ治安権限が委譲されるため、日本から多額の支援金が、軍や警察の給与になる。しかし避難民キャンプや、物乞い女性たち、病院には回って来ない。
国連の停戦監視団がシリア入りしたが、内線を止めることはできなかった。アサド軍の強力な武器に比べ、自由シリア軍の武器は貧弱で、戦闘行為になれば、アサドが勝つ。しかし市民の中に燃え上がった「アサド政権打倒」の炎は簡単には消えない。残念ながら、この紛争は長引くだろう。アサドは弾圧の手を緩めれば、自分がカダフィーやフセインのようになると分かっているので、徹底的に「反乱分子」を虐殺、弾圧していくだろう。早急にシリア人同士、つまりアサド政権と反アサドの代表が停戦合意することが必要。その和平合意を、国際社会がお膳立てすることだ。
例えば、ロシア、イランなどがアサドの身柄を受け入れ、亡命させるというのも1つの手段だ。アサドという虐殺のシンボルを追放すれば、歩み寄りも可能なのではないか?難民たちや戦争被害者たちに必要な支援を行いながら、和平に向けた何通りもの提案を、国際社会が粘り強く行っていかねばならない。
ジャンルは問わず、ポピュラー音楽、うた、楽器演奏、ダンス、漫才など何でもOK。ただし、メンバーに吹田在住者(または、在勤・在学)の者がいること、または、吹田市内で活動されている個人・団体であること。中学生・高校生も大歓迎です。
実行委員会に問合せの上、指定の申込用紙に必要事項を記入し、DVD(ビデオ)・CD等を添えて、実行委員会に提出を。郵送・持参とも8月17日(金)必着。
毎年恒例のガレージセール、誰でも出店できます。(飲食品の販売は出来ません)出店料2.5m幅3000円。お申し込みは8月17日(金)までに実行委員会へ!
雄大にして繊細な歌唱力。自身のルーツとなる沖縄音楽に独自の解釈を加え歌い継ぐスタイルや、平和家族などに視点をおいて人を見つめる温かな楽曲の世界をお届けします。
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今年は2つの目的の違うバザーを行います。
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