すいた市民しんぶん・春号(2005)
JR大阪駅北側の梅田貨物駅(梅田北ヤード)の機能の半分を吹田操車場跡地へ移転し、トラックターミナルを建設する計画について、事業者である鉄道建設・運輸施設支援機構(以後JR機構)は吹田市に環境影響評価書を提出しました。これは、吹田市環境影響評価条例に基づくもので、今後、3月25日まで44日間、市民意見書の受付が行われます。
ところが、今回JR機構から提出された「評価書」では、大気汚染や騒音、振動などの防止について、あいまいな表現も多く、住民からは「これでは環境悪化を防ぐことにはならない」など、不安の声が広がっています。
「梅田貨物駅の吹田操車場跡地への移転に関する基本協定書」《1999年1月20日 大阪府・吹田市・摂津市・日本鉄道建設公団(現JR機構)・日本貨物鉄道株式会社の5者で締結》には、「環境を悪化させないような対策を講じる」「住民との円滑な合意に努める」と明記されており、「住民合意」なしに移転することができないこととされています。
吹田市は、この機会に住民の声を十分に聞き、その内容に基づく「住民合意」による対応が求められています。
藤白台A棟 Tさん
移転することそのものに問題がありすぎます。関連予算が吹田市に配分されるわけでもなく、公害だけが拡大され、吹田市にとって何の利益にもなりません。トラックは、吹田市を囲む幹線道路を通り、市内全地域を抜け道として走り回り、大気汚染は市内全域の問題となります。大気汚染は目に見えるものでもなく※見出し中
、数年、数十年経って影響がでてくるものです。公害は起こる前に止めるしかないのです。
松ヶ鼻 Mさん
JR沿線に面している当自治会は、東海道線の線路から20〜30mしか離れていないところなので、四六時中殷々(いんいん)と聞こえてくるその騒音と振動は、安眠を妨害します。そのことは子育て中の家庭にとって、子どもの健全な発育を阻害しかねない問題にもつながります。梅田貨物駅が来るようなことになれば、さらに問題は深まります。
安心・安全のまちづくりのために、梅田貨物駅移転反対の英断を、是非お願いします。
大気汚染・振動・騒音、住民の不安は大きい泉町1丁目 Fさん
列車の騒音対策として、継ぎ目の少ないロングレール化をこれまでもJRに要求してきましたが、未だに実現せず、不信感が広がっています。もともとぜんそく患者がこの地域には多く、トラック専用道路ができると大気汚染・騒音・振動が今よりもひどくなるのではないかと、大きな不安があります。公害患者の苦しみを繰り返してはなりません。こんな大きな問題については、市長が直接私たちと意見を交すべきです。
子どもたちが安心して住める町にしてください寿町 Nさん
小学校と保育園の近くに1日1000台ものトラックが通る専用道路の出入口がくる計画に吹田市が反対と言えないのはおかしい。JRも梅田の方が便利であるのに、わざわざ吹田に移転させることも理解できません。排気ガスの影響は体力のない小さな子どもに影響が大きいとも聞きます。大型車両はもちろんのこと、交通量が増えると交通事故も心配だし、将来を担っていく子どもたちが安心して住める町にしてください。
ぜんそく患者には、命を削るのと同じ高浜町 Hさん
私は、ぜんそくを患っています。1日1000台のトラックが走れば、いくら規制をしても空気が汚れるのは間違いありません。トラック専用道路を認めることは、私たちの命を削ることと同じです。また、今でも吹田ではぜんそく患者が増えていると聞きます。ぜんそくで苦しむ人をこれ以上、増やさないでください。