操車場問題ビラ(2005)
梅田貨物駅(梅田北ヤード)の機能の半分を吹田操車場跡地へ移転する計画について、鉄道建設・運輸施設支援機構(以後JR機構)は、吹田市に環境影響評価書を提出しました。2月10日から評価書の市民縦覧が市内8か所ではじまり、3月25日まで44日間で市民意見書の受付が行われます。
今回の環境影響評価手続きで、環境問題について市民が直接意見を伝えることのできる最後の機会となります。「公害道路いらない」、「子や孫にきれいな空気を残したい」という当たり前の願いや反対・不安の意見を市民意見書に記して提出しましょう。
クリアされていない環境問題梅田貨物駅移転反対吹田市民連絡会 代表世話人 小西 和人
いよいよ私たちの運動も山場を迎えました。99年にJR貨物や大阪府、吹田市などで5者協定(基本協定書)を結んで以後、JRの計画に基づいて環境影響評価手続きが進められていますが、準備書に対する環境破壊に反対する意見書が1万1千通寄せられました。協定にも住民との合意に努めることが記されています。また、5者協定では、梅田貨物駅機能の約半分の機能の移転であることや1日1000台以内とした項目が含まれています。しかし、残り半分の移転地として計画されている百済駅でも住民の反対運動が起こっていますし、決まったことではありません。吹田市だけが先行すれば、すべて吹田に来る可能性も残っています。
評価書は私たちがこれまで指摘してきた、環境破壊に対する懸念を解決する策とは程遠いものになっています。いつまでも住み続けられるまちでいたい。子や孫にきれいな空気を残したい。という当たり前の願いを実現させるためにも意見書をあげましょう。
JR機構の「評価書」―ここが問題
梅田貨物駅移転・トラック1日1000台に不安を持たれた市民のみなさんは「意見書」を出しましょう!
今回提出された評価書は、前回の準備書と同じく950ページにも及ぶもの。とても一般の市民がすぐにすべて読み通して理解できるようなものではありません。そこでダイジェストで問題点を列記します。
1、大気汚染いくら「低公害車」にしても、ディーゼル車である以上排ガスをまきちらす□市民のぜんそく患者は増えており、これ以上環境を悪化させる貨物駅移転に反対です。
□大型トラックは、「低公害車の使用を求めていく」とし、あいまいな答弁です。トラックはディーゼル車がほとんどであり、「天然ガス車しか走らせない」などの具体的なことはいってません。
□2か所のトンネル部分について、JRは「傾斜を緩やかにする」としていますが、わずかの対策しかなりません。しかも専用道路の出入口には、小学校や保育所があり、子どもたちへの健康被害が心配です。
□貨物列車はすべて電気機関車とすること、という市長意見書に対し、JRは「ディーゼル機関車が望ましい」とはねつけています。JRの誠意が問われます。
2、騒音・振動騒音・振動にこれ以上の対策なし□「吹田市役所付近で、住宅と道路の離隔を最大3.5メートルに広げました」とJRはいいますが、住宅の近くを走ることに変わりはありません。
□5年間の工事期間中は、すさまじい工事騒音が発生することが予想されますが、JRは「夜間工事も予定している」といいます。沿線の住居に対しては、二重サッシの窓にしたり、エアコンを設置したり、具体的措置が必要です。
3、その他大気汚染・騒音・振動対策は具体性なくあいまいに□1日1000台のトラックの多くが生活道路に進入しても、何の罰則もありません。
□梅田貨物駅取り扱いの半分の行き先が決まってない現状で、吹田だけ急ぐのはおかしい。