SUITA市民しんぶんVol.4(2006)
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うめかも(梅田貨物駅)移転問題で、さる9月29日「吹田操車場跡地に係る市長との意見交換会」が、吹田メイシアターで開催された。会に先立って、市民団体「梅田貨物駅移転問題対策吹田市民ネットワーク」(うめかもネット)が、次頁の公開質問状を提出。吹田市の回答が、具体性に欠けた曖昧なものだっただけに、「これでは納得できない」とする多くの市民と、市との間で一時騒然とした雰囲気となった。
「もったいない!跡地開発で吹田市破産?」市役所前で訴える「うめかもネット」のみなさん
うめかも移転にかかわる住民投票が否決された後、初めて市長が市民の前で「説明」するとあって、会場のメイシアターに約300名の市民が参加。あらためてこの問題への関心の高さが示された。
会場からは様々な質問が乱れ飛んだ。大別すると、(1)なぜ住民投票を否決し、移転に合意したのか、(2)(仮称)吹田貨物ターミナル駅ができて環境は悪化しないのか、(3)跡地開発などにどれだけの予算が必要か、の3点だ。
会場が大きくどよめいたのは、環境問題の質疑。
「1日一千台のディーゼルトラックが心配だ」とする質問に対し、阪口吹田市長は「心配ない。吹田にやってくるトラックはクリーンな排気ガスしか出さない」と答弁。「そんなわけないやろ!」「クリーンな排気ガスなどあるか!」などの野次が乱れ飛んだ。
続いてうめかもネットの代表者が、別紙の公開質問状に基づき論点を整理し、質問。住民投票については、「市長と市議会の思いが一致していたので、住民投票は必要なかった」と回答。「(署名した)私たち4万人の思いはどうなるの?」という素朴な疑問で、会場はざわついた。
最後に、千里第一地区の自治会長から「操車場跡地はJRが無償で市に提供してくれるんだと、多くの自治会長は思っていた。実は市が買い取ることが判明した。バブルがはじけた今、市の負担で開発すると赤字になるのでは」と危惧を表明。市長は「マイナス面はある。しかしトータルとして、開発してよかったな、と思える街づくりに邁進したい」旨の答弁。たまらず「トータル、トータルと言うが、(公害にさらされる)近隣住民を見捨てるのか!」との野次が飛ぶ。
まだ手を上げている人がいるぞ!質問させろ!という野次が飛ぶ中、司会者の「これにて終了いたします」というマイクが響く。騒然とした雰囲気の中、「市長との意見交換会」が終了した。
うめかも移転に係る問題については、多くの市民が不安・疑問を口にしている。吹田市は強引に「見切り発車」し、市民の不安や疑問に対する回答も、曖昧なままである。
こんな状態なのに、移転に合意してホンマにエエの?
質 問 | 回 答 | |
1 | なぜ住民票を否決したの? | 市長と議会の思いが一致していたから、住民投票は必要なかった |
2 | 梅田北ヤードの売却益と吹田への移転工事費は? 予算が明らかでないのになぜ移転合意したの? |
予算はいまだに明らかになっていない。でもアセスが終わったから合意した |
3 | 貨物専用道路(公害道路)の地下化をなぜ要望しなかったの? | 地下は技術的に不可能と判断したから |
4 | 跡地の街づくり予算は? | 岸辺駅周辺整備に約90億円。 土地取得費、概算事業費などは未定 |
5 | 地下鉄8号線北進の予算は? | 井高野〜岸辺までで約500億円 |
6 | 環境は良くなるの?悪くなるの? | 万全の環境対策が取られると判断した |
文責:うめかもネット事務局。うめかもネットニュースより