SUITA市民しんぶんVol.7(2007)
梅田貨物駅(うめかも)の吹田移転について、移転推進を掲げる現職市長が当選したことで、吹田への貨物駅移転がほぼ確定してしまった。しかし1日1000台の大型トラックが吹田市内を走り回ることに伴う公害問題や、民家のすぐそばを通る貨物専用道路(公害道路)の建設問題など、住民の不安は何ら解消していない。さる6月9日には鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下JR機構と略)と吹田第二地区連合自治会との間で工事説明会が開催された。住民から次々と出される不安や質問にまともに答えず、ただ「工事を着工させてほしい」と繰り返すJR機構の態度に失望が広がった。(文責・編集部)
住宅のま横をディーゼルトラックが走る。その排ガスは…>拡大図
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1日1000台のトラックは吹田市内を走り回る>拡大図
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住民泉町1丁目では民家のすぐ裏に公害道路ができてしまう。1000台のトラックが来れば、確実に環境が悪くなる。この計画に絶望して、引越す人も出はじめている。例えば家の2階部分の高さに、4メートルの遮音壁ができるというが、日照権はどうなるのか?
公害道路をせめて地下にもぐらせることはできないのか?
JR機構全国一厳しいといわれる環境アセスで、「それほど環境は悪くならない」と答申が出ている。(公害道路を)地下にすることは不可能。
住民地下が無理なら、せめて道路をドームで覆うことはできないのか?南清和園町に住んでいるが、排気ガスが西風に乗って線路の反対側にやってくる。現職市長も当初「地下にするのが望ましい」と言っていたではないか。
JR機構吹田市長と協定を交わし、計画通り地上案で進めるということになっている。ドームで覆うことはできない。遮音壁の色や形状については、住民の皆様のご意見をお聞きしたいと思っている。
住民吹田市長は住民と話し合わないまま、住民投票もせずに勝手に合意したのだ。「吹田市の了解を得た」と逃げてもらっては困る。JR沿線住民は計画の変更を望んでいる。
JR機構アセスメントで「ほとんど影響はない」と答申をいただいている。(会場から失笑が漏れる)
住民さっきから「環境は悪化しない」とおっしゃるが、では喘息の子どもやお年寄りが増えたりすると、誰が責任を取ってくれるのか?環境が悪くなったら工事を差し止めてくれるか?工事の前に一筆書いてほしい。
JR機構いったん始まると工事は中止できない。住民との間で協定書を交わすことは不可能だ。
住民そもそもこの工事は、梅田北ヤードを売却して、その売却益を旧国鉄の赤字返済に充てる、ということで計画された。では(1)梅田貨物駅の売却益がいくらで、(2)吹田への移転工事費がいくらなのか、予算を示してほしい。
JR機構予算は言えない。
住民質問に答えてもらえないなら、説明会にならない。工事の日程まで決まっているのに、予算も開示しない。新聞報道によると、梅田北ヤードの一部は約2000億円という「高値」で落札されたという。予想以上に高く売れたわけだから、地下にする工事も可能ではないか?
JR機構…。
住民言えないのならそれでもいいが、道路は地下にすべきだ。
JR機構工事説明なので技術的な話をさせてもらおうと思っていたが、出てきた質問をいったん持ち帰って、あらためて対応したい。色々議論はあると思うが、工事を始めさせてほしい。
住民それは納得できない。住民側の不安や質問に答えて、理解を得てから工事を始めるべきだ。
「工事を始めたい」「ダメだ」双方の主張がかみ合わないまま、説明会が終了。説明会の最後、一人の住民が思わず叫んだ。
「こんなひどい計画、なんで市長は合意したの?」