岸辺駅南側でも工事が始まった
昼なお暗い地下道。ちょっと不気味
地下道の中ほどに境界線が
JR吹田〜岸辺駅の車窓から、大規模工事が進行中
岸辺駅から「エコメディカルシティ」予定地を写す。病院はやって来るのか?
「公害道路いらない」「大事なことは住民投票で決めてほしい」「一日千台のトラックはいやや」…。吹田市民の願いもむなしく、梅田貨物駅の吹田への移転工事が進行中だ。計画では地図のように、(仮称)吹田貨物ターミナル駅が作られる。その北側、つまりJR岸辺駅付近の5・1ヘクタールが「エコメディカルシティ」として大変貌するというのだ。しかしちょっと待って!アメリカ発の、「100年に一度の」不況が襲っている今、本当にこのような大規模開発がうまくいくのだろうか?結局は税金で尻拭いすることになるのでは?そんな疑問&危惧を抱きながら岸辺駅を歩いてみました。
まずは地図の@、岸辺駅地下道の出口、岸部中4丁目8番付近(矢印)へ。工事用大型トラックが行き交い、土砂が積み上げられているが、操車場跡地があまりにも広大なため、工事がどこまで進んでいるか、すぐには分からない。計画では、JR岸辺駅が橋上化され、南北自由通路ができる予定だ。確かに今の岸辺駅の出入り口は南側一か所だけなので、橋上化されて自由通路ができれば、かなり便利になる。地元住民ならずとも、早期に実現してほしいところだ。
地下道を歩く。おぉーと、これは長い。昼なお暗いこの地下道は、ちょっと不気味。
地下道の中ほどに看板が。「街づくり可能用地」「緑の遊歩道」と示され、開発予定の境界線が示されている。その先には「緑の遊歩道」「貨物駅用地」との看板。長い地下道をくぐり抜けると、JR岸辺駅である。駅前の道路がただいま工事中。これも関連工事の一つだろうか。
次にJR岸辺駅から吹田駅まで、車窓から工事現場を眺める。トラックやブルドーザーがあちこちで作業しているが、広大な敷地のため、どこが何の工事なのか、にわかには分からない。吹田駅に近づくほどに敷地の幅が狭くなっていく。(仮称)吹田貨物ターミナル駅ができる場所の土地が掘り返されている。岸部側は「エコメディカル」かもしれないが、吹田側は公害が心配だ。
計画は今、どんな段階なのだろうか?吹田市東部拠点整備室に現況を尋ねた。
岸辺駅前5・1ヘクタールの土地が「エコメディカルシティ」になるのですね?
「そうです。UR(都市再生機構)がこの土地を90億円以上で事業者に売って、その売却益で、道路や上下水道などを整備し、事業者はこの土地に病院などを誘致することになります」
吹田市は負担せずに?
「いえ、補助金として国が10億円、大阪府と吹田・摂津両市で5億円ずつ、合計20億円をこの事業に拠出します」
事業者はどうやって決めるのですか?
「コンペ方式で参加を募ります。しかし想定外の大不況が襲ってきたので、景気の動向を見極めながらコンペをすることになると思います」
2011(平成23)年春、(仮称)吹田貨物ターミナル駅が開業し、この広大な「エコメディカルシティ」は街びらきを行うことになっている。しかし表裏一体の関係になる「梅田北ヤード再開発」も、景気悪化がもろに響き、街びらきが遅れている。あの梅田でさえ、テナントビルに空きが目立ち、百貨店も苦戦している。果たしてこのまま計画通りに進めていっても大丈夫なのだろうか?背伸びせず、「跡地は公園」にしておいたほうが、吹田市の身の丈にあっているのではないだろうか?