吹田市は、5年前に「財政健全化計画(案)」を策定し、これまでに市民サーピスや人件費の削減などを行ってきました。しかし、「予想を超える市税収入の落ち込み等により、財政状況が悪化している」として、吹田市は「財政健全化方策」をつくるため、その「基本的考え方」をまとめました。
これまで、吹田市は豊かな財政基盤に支えられて、「福祉の吹田」「子育てするなら吹田で」といわれる全国に誇る行政水準をつくってきました。昨年、日本経済新聞の「行政サービス調査」でも、吹田市は「公共料金が安く、子育てサービスが手厚い」という理由で、全国10位、近畿1位の行政水準と評価されています。
もし、「財政健全化後期方策」を「財政困難だから市民サービス削減」という安易な立場で策定するようなことがあれば、長引く不況にあえぐ市民生活に重大な影響を及ぼし、「福祉の吹田」といわれる全国に誇る行政水準を崩すことになります。いま、求められるのは、「市民のくらしを守る」立場で財政困難を打開することではないでしょうか。
「吹田の財政問題とまちづくりを考えるタウンミーティング」では、15会場で200人を超える市民らの参加で、吹田の財政問題に対して「何を大事にするのか」、その基本的な見地を討論してきました。
市民の皆さんからは、「財政がいくら厳しくても子どもやお年寄りなど『弱者』を守ることが大切」「財政が苦しいと言いながら必要性がわからない公共事業の計画、どうなっているのか」「福祉、子育て、教育など市民のいのちとくらしを支える事業は削らないで」などの貴重な意見が出され、市労連が提起した「市民のくらしを守りつつ財政問題の打開を」の訴えに共感が広がりました。 さらに「『福祉の吹田』を守るため、突っ込んだ討論をすすめよう」と今後につながる討論となりました。また、このようなタウンミーティングを行った市労連の活動に対しても、「『厚遇問題』が騒がれている時期に市民と真正面から討論しようとする市労連の姿勢に共感する」「市民生活の中に市職員がいることが、市民にとってありがたい」「労働組合が地域の人と市政について話し合うのは大変良いこと」などと評価をいただき、今後の行政運営について、「市役所から市民の方に出向いていくシステムが重要」などの意見も出されました。